2008年3月18日火曜日

電脳社会 家族の距離 skype

0.プロローグ
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仕事で、香港に出張する。店長さん御一家と家族で食事をした。
店長さんは、単身赴任。大変だと思うけれど、自分で決めた道。
確実にすごく成長して帰ってくるのだろうなと思う。
僕も、この日本でできるかぎり成長したいなと思う。
(ただ、すごいなーといっているだけじゃ。おもしろくない。)

息子が1歳3ヶ月。
この時期の単身赴任は辛いと思う。子供がもう少し大きくなったら、もう少し、話も変わってくるのだろうけれど、今は、子供も小さく、奥さんへの負担も大きい。
わかりきったことを書いているんだけど、実際子供を持つ人間だから実感できることがある。

店長さんの決断がどれだけ、勇気がいることか!
奥さんの決断がどれだけ勇気がいることか!

僕だったら、決断できたかな?と考える。僕と僕の妻なら、どうだろうと。。。
「ゾッ」とする。まぁ、心の準備がないからかもしれないな。

店長さんとの会話の中で、香港に行ったら、家族とのコミュニケーションは
Skype」を使うということが話題に上った。

今は、インターネットを使えば、タダで電話ができる。
まぁ、このサービス自体は、4、5年前から使えたわけだが、
ブロードバンドが、地球規模で広まっているから、世界とのやりとりも、「skype」で行える。

テレビで、大リーガーが、家族と電話している映像を見たことがあるが
それも「skype」だった。

これは、本当にすごいことだ。国際電話が「タダ」なんだから。


1.距離の重みがなくなった!
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21世紀になって
コミュニケーションが、「距離」を超えるようになった。

僕個人の感覚的な話なのだが、18才で関東に出てきたとき、本当に心細かった。
携帯電話も持ってなかったから、週末に、「公衆電話」で、母親と弟に電話することが
何よりも楽しみだった。

テレホンカードの度数がドンドンなくなる。
他愛もないことを、一生懸命話した。家族と電話で繋がっていることの安心感は
とんでもなく心を温かくしてくれた。

これは、きっと、対価を払って電話してるから、そう思ったんだと思う。
関東と広島じゃ、テレホンカードは、あっという間にきれてしまう。

それがだ。ある日、携帯電話を買った。
両親とメールできるようになった。
すると、前より、電話のありがたさを感じなくなった。

というよりも、メールでいつでも繋がっている感覚になった。
不思議なものだ。
一人暮らしが、そんなに寂しくなくなった。
いつでも、つながっているから、一人じゃないような気になったんだと思う。

それは、今もそう。
実家の家族とは、遠く離れているが、そんなに離れている気がしない。

インターネットは、距離の重みを軽くしてしまう。
そんな気がしてならない。


2.これが脳化社会だ
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「バカの壁」で有名な養老さんが、昔だした本に「唯脳論」という本がある。
養老さんの思想は、基本これを読めばすべてわかる。それほど、この本は洗練されているし、
養老さんの考え方は、スジが通っている。

脳は見たいものしか、見ない。

コンピュータの中は、計算できるものしかない。
インターネットの中には、偶然は存在しない。必然しかない。
それは、一見つまらなそうだが、すべて、人間が考えた世界。
脳にとって一番住みやすい世界なのかもしれない、

映画の甲殻機動隊じゃないけど、世界とつながっている感覚に近いんじゃないかと思う。

僕らは、脳の中に住むようになってしまった。


3.ネットとは?
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ネットは加速機だと思う。
ネットに繋がっていると、情報が洪水のように押し寄せてくる。
ネットに繋がっていると、自分がある方向性をもっていれば、一気に加速することができるはず。

取捨選択するのは、自分自身。
自分がしっかりしていないと、結局、時間の無駄にしかならないのが、インターネット。

つまり、リアルな世界をちゃんと、みていないと、
インターネットの世界は、ゲームセンターでしかないんだ。

それを生かすも殺すも自分次第。



4.現実に戻る
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きっと、子供は分からないはずだ。この距離感。
だから、悲しむだろうし、「わけ」が分からないはず。
それが、重要な感情の一つ。

でも、思いは、距離を越える。

どんなに離れていようと、思いは距離を越える。

そうか、これがやりたくて、人は電話を作り、ネットをつくったのか?
と思いたくなる。

僕は、先ほど「距離の重み」がなくなったと書いたが、それは「価値」がなくなったという意味でかいたわけじゃない。以心伝心するくらい、近くになったことを言いたかった。

では、何がしたいのか?
結局、コミュニケーションしたいということに終着する。
「脳はつながっていたいのだ。」


と、なんだか、重い文章になってしまったが、、、
僕が言いたいのは、結局、「タダ」で電話ができるなんてすごいなーということだけ(笑)


僕も、もっと、妻と子供とコミュニケーションを取ろうと思います。
それが、つまらない事でもいいんです。
話をすることが大事。
話を聞いてもらうことが大事。
話を聞くことが大事。
近くにいたって、離れたって、大事なことは何一つ変わらない。

お互いが、お互いのことを思っていないと、喧嘩にすらならない。
喧嘩だって、たまにはいいと思う。

最近、自分の周りの環境が目まぐるしく変わり、
毎日が忙しく過ぎ
人に優しくできる余裕もなく。

なんだかなー。

と、思うことがありますが、
でも、僕には、家族がいると思うと
がんばれる気がします。
そう思えるときは、家族は心の中にしっかりといるんだと思う。

この距離感は、「脳」が感じてるとしたら、自分次第じゃないか!?

すべてが、言いも悪くも自分次第。
10年たったときに、自分の息子に「父ちゃん、かっこいいだろ?」といえるようになっていたい。
僕の目標。