2007年12月30日日曜日

フューチャリスト宣言

日本人に足りないのは、前向きな発想だ。
ここまで、前向きな対談も珍しいと思う。
こんな時代だからこそ、前向きな考えからこそ、未来を見出したい。

「楽天的であるということは一つの意思である」
「未来に明るさを託す」
とは、よい言葉だなと思った。

1.フューチャリスト

Web2.0の是非は、僕の周りでもチラホラ聞こえるが、
物事を否定的に見るのではなく、未来にむかって自分は何をできるかを考える。
この観点は非常に重要だと思う。

未来と今の自分を比較して
相対的に、今の自分の位置を確認することで、見えてくるものがある。

インターネットによって、情報へのアクセスは飛躍的に手軽になる。

棋士の羽生さんの「学習の高速道路論」では、インターネットによって、ある到達点には誰で
もすぐいけてしまうという。
あるレベルまでの、マニュアルなり、学習の足跡、ログはすでにネット上に存在しているからだ。
そして、過去の遺産はこれからも、蓄積される一方であるからだ。

だれでも、ある一定のレベルまでいける「可能性」がネットの世界には存在している。
これは、非常におもしろい考え方だ。
映画の「マトリックス」や「甲殻機動隊」の世界は実は実現しつつある。
ネットにつながっていれば、情報はいくらでも、取得できる。

これからは、もっと、判断能力を問われる。
情報の中から、何を選択するかを。


2.茂木さん

興味深かったのが、茂木さんが「アインシュタイン」ではなく、「ダーウィン」のようになりたいと言っていたことだ。
茂木さんの研究している学問の段階は、時代的には丁度「ダーウィン」のような時代だという。アインシュタインのように専門的に深い革新的な考え方を出せる段階ではない。
ダーウィンの「進化論」のように、答えはその時代には見出すことはできないが、「概念」として確信がもてる考えを出す段階なのだと。

ダーウィンが進化論を発表するまでは、何年も、海外に取材に行き、たくさんの文献を読んできた。まさに、多くの情報を浴びていた。
その中で、「進化論」を構築した。

Webサイト構築も、まさに今はその時代だと思う。
まだ、Webサイト構築に、「正論」はない。
たくさんのWebサイトを見る中で、自分の中に経験的な「よい」「わるい」
を作るしかない段階だ。
たくさんの情報を貪欲に吸収し、その中で、自分の判断材料をつくること
それが、自分の中で、理論化できれば、一番だなと思う。

3.最近思うこと
「勝ち組SE・負け組SE」を昨日読んだのだが、あまり得るものはなかった。
筆者の経験談を一般化しようとしているところが腑に落ちないという点が一番大きい。
また、数年前の本なので、すでに状況が違うということも大きな要因だ。

ただ、その中でも学ぶことはたくさんあった。
筆者の考えでは、SEはこれから、淘汰されていく時代になるという。
本来SEと呼べないほどのスキルの人間、SE(職人)の意識がない人間が多いからだ。

僕は、そうは思わない。
技術的に、また人間的に足りないSEは多いと思うが、
SEの業界は、人手は必要だと思う。
この世の中は、もはや、システムエンジニアがいないと動かない世の中になっているからだ。

だが、WebデザイナーやWebディレクターの世界は、まだまだわからない。
これから、SEの業界以上に、淘汰されていくと思う。
これから、しばらくは、大企業がWebマーケティングにお金をかける比重が多くなるだろうから
数年はいい。
だが、業界が成熟したときに、どうなるか?

今の30前後の人間が、すべて40代になったとき
今のままでは、僕の所属する会社が、一般企業と同じだけの給料を払えるか?

僕はNoだと思う。

その時のために、いや、そうならないように、
僕は未来から逆算して、自分に何ができるか?何をすればよいかを考えなければいけない。

Webディレクターは何をすべきなのか?
「ダーウィン」や「ダビンチ」のような方向性が
現時点での僕の結論である。








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